レコムについて

 日本ラテンアメリカ協力ネットワーク(RECOM=Red de Cooperacio’n Mutua entre Japo’n y America Latina)は中南米、カリブ地域において社会的、経済的に困難な状況におかれている人々、 そしてそれをはねかえすために運動をしている人々とのネットワークを築き、相互理解を深めるとともに、 その支援活動を行うことを目的としています。

  • 活動の主人公はその地に生きる人々です。私たちは現地の人たちによる草の根から「社会を創っていく」運動に共感し、支援していきます。 
  • その地に生きる人々をより深く理解するために、彼ら/彼女らの声を「日本」に生きる人たちに伝えていきます。 
 →ニュースレタ-の発行、SNSでの発信など 

 こうしたレコムの活動は、会員の「意志」によって支えられています。
 会員の一人ひとりが自分の生きる場所から、それぞれのスタイルで中南米の人々とつながっていこうとしています。
 また、こうした活動を行うなかで私たちの生きる「日本」という社会、そして世界を見つめ直し、 私たち自身が新たな価値観、社会を創り出すことも重要だと考えます。
 現在、次のような活動を展開しています。

目次

☆子どものための土曜学級支援(グアテマラ基金

 @チマルテナンゴ県ポアキル
 現在支援中のプロジェクトは、グアテマラ農村部の子どもたちのための土曜学級です。グアテマラは人口の過半数がマヤ先住民であり、公用語のスペイン語を話さない人も多いです。先住民の割合が高い農村部に、教育、保健、インフラなど基本的な公共サービスが行き届いておらず、非先住民の多い都市部と先住民の多い農村部の格差が非常に大きいです。とりわけ農村部では貧困率は高く、教育水準は低く、さらに先住民ということで差別に苦しんでいます。子どもの慢性栄養不足は深刻です。貧困や、スペイン語が理解できないなどの理由で小学校にも行けない子どもも多く、そのために貧困から抜け出せないという悪循環があります。
 この問題の解決に貢献するために、2012年よりチマルテナンゴ県で毎週土曜日に開く土曜学級を支援しています。マヤ語とスペイン語の二言語教育を行い、給食も提供します。土曜学級の運営は地元のマヤ女性団体であるグアダルーペ協同組合が行っています。

☆戦時下性暴力の被害者の闘い支援

 グアテマラは36年にわたる長い内戦(1960-1996)を経験し、グアテマラ社会と人々に大きな傷を残しました。主に政府軍による凄まじい暴力で多くの死者・行方不明者、国内外避難民が出たほか、多くの女性たちが性暴力の犠牲となりましたが、その実態は長い間知られずにいました。内戦が終わって15年、沈黙を破って声を上げる女性が出始めました。そして、イサバル県セプルサルコ村の女性たち15人が国の責任と加害者の処罰を求めて集団訴訟を起こしたのです。レコムはこの女性たちの裁判を支援し、関係者を招いて国内スピーキングツアーを開催する、裁判の経過を報告するなどの活動を行いました。そして、このセプルサルコ裁判は直接の加害者だけでなく、国の責任も厳しく断罪されるという歴史的な有罪判決を勝ち取ったのです。
 しかし、判決にあった補償はほとんど実行されず、女性たちはあいかわらず貧困に置かれたままです。支援団体と共にその実施に向けての努力を続けていますが、グアテマラの政治状況も悪化しており、実現は難しい状況です。レコムでは外部の助成金をもとにして、毎年女性たちへの支援金を送っています。支援金は彼女たちが最も必要とする医薬品や食料購入に充ててもらっています。
 くわしくは「そんりさ156号」https://www.jca.apc.org/recom/sonrisa/2016-156.pdf

☆障がい者のための団体支援

@ソロラ県サンティアゴ・アティトラン市の団体ADISA(https://adisagt.org/)
 アティトラン湖という美しい湖のほとりにあるサンティアゴ・アティトラン市にADISAという団体があります。障がいのある人々とその家族が権利を完全に尊重されて生活できるよう、包括的なケアを提供して、この人たちがエンパワーされ、公正でインクルーシブな社会を築くことに貢献するために設立されました。
 レコムは、2016年よりこのADISAを支援しています。乳幼児のセラピー関連で五年間支援したほか、新型コロナウィルスでの緊急支援キャンペーンなどを行ってきました。

過去の活動

農村部マヤ女性のための貧困削減マイクロクレジット

 チマルテナンゴ県ポアキルはマヤ・カクチケル先住民が住む地域です。住民のほとんどは貧困層で、とりわけシングルマザーの家庭は極貧状態にあります。近年ではハリケーンや干ばつなどの災害の被害も受けているほか、物価の上昇で、生活は厳しくなる一方です。この地域で内戦で夫を殺された女性たちが生き延びるために集まって作った協同組合が30年前から地域の女性と子どものための活動を行っています。日本ラテンアメリカ協力ネットワークは2011年よりこのグアダルーペ協同組合の活動を支援しています。最も必要なのは女性たちの貧困削減ですが、マイクロクレジットはそのために大きな役割を果たせます。担保がないために通常の金融機関からの融資を受けられない、あるいは受けられても利子が高すぎて返済できないなど、貧しい女性たちが融資を受けるのはほとんど不可能です。現在行っているマイクロクレジット事業は、大きな成果を上げていますが、原資が少ないために融資できるのは僅かな人数のみです。
 「世界の人びとのためのJICA基金」をいただければ、さらに12人の女性へのマイクロクレジットを実施することができ、地域の貧困削減に貢献できます。

人権状況の改善を求める活動

 人権状況が改善されていないグァテマラに対して、国際的な目が注がれていることを示すために、現地新聞に意見広告を掲載したり、グァテマラ政府への抗議ハガキの送付などを行っています。 

コナビグア支援

 コナビグア(つれあいを奪われた女性たちの会)への支援活動を通じて『平和に生きる権利』そして『自分たちの社会を創るために運動すること』の重要性を学んできました。 
 コナビグアは1980年代初期の弾圧によってつれあいを奪われた女性たちによって88年に創設されました。彼女たちは自分たちの子どもや孫たちの命 が再び失われることがなく、平和な社会に生きられるようにと命をかけて闘っています。農村部での人権侵害の告発や、「自警団」と呼ばれる抑圧的な監視組織と「強制的な徴兵」を廃止するように、また「良心的兵役拒否」を法的に認めるように、といった運動を進めています。こうした活動を続ける彼女たちへの脅迫や抑圧は後を絶ちませんが、彼女たちは負けることなく活動を続けています。近年はマヤ民族としての権利と尊厳のためにも積極的に運動をしています。 
 レコムでは人権に関する支援の他にも 
 1993年度:活動用車両の提供 
 1994年度:青少年への平和人権教育支援、「秘密墓地」発掘の資金援助 
 1995年度:コナビグアの女性のため託児所建設支援、を行ってきました。

コニック支援 

 大地主に支配された国グァテマラで、農民たちはわずかな土地でトウモロコシを作るかたわら大農園へ働きにいったり、農園の住み込み労働者として働いています。こうしたなか、グァテマラの先住民族・農民のコミュニティーの連合体であるコニック(先住民族・農民全国調整委員会)ではコミュニティーを基盤として労働条件の改善や土地の獲得など様々な活動に取り組んでいます。 
 レコムでは農業技術普及チームの支援を中心に、コミュニティーが「経済」を取り戻していくための活動を支援してきました。 

ニカラグア・カリブ海岸自治地域大学支援

 カリブ海岸地域は、昔からマヤグナ人やミスキート人といった先住民族、そしてアフリカ系のクレオール人などが住む地域でした。ニカラグア国土の半分を占める地域に鉱物、海産、森林資源のほとんどがあります。これらの資源は中央政府や外国企業によって収奪されてきました。1979年にサンディニスタ革命が起きてから、内戦などを経て、この広大な地域は「自治地域」と認められます。以降、カリブ海岸地域の多民族・多文化・多言語による地域自治を確立する努力が続けられます。レコムは、自治を担う人材を育成するために設立された自治地域大学の支援を通して地域自治の強化に貢献しました。同大学学長や先住民女性の権利運動のリーダーらを日本に招いて、スピーキングツアーの開催などを行いました。
 その他、ハリケーンの被害が出た時に緊急支援を行った他、ワスパン地域における水資源の保全を目的とした植林プロジェクトへの協力も行いました。

連絡先
お問い合わせは、こちら(https://recom.r-lab.info/mail)からお願いします。

日本ラテンアメリカ協力ネットワーク 郵便振替口座:00110-7-567396

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