RECOM会員の山本昭代さんが「ソンリサ」で連載していたルポルタージュが「ナルコ回廊をゆく——メキシコ麻薬戦争を生きる人々」(風詠社)という本になりました。税込み1980円。以下紹介文から。
国家と同じように警察の役割や収税を行い、市民と共存する「カルテル」――暴力装置を独占するのが国家だとすれば、まさにパラレル・ステートである。メキシコで暴力のスパイラルが始まって17年。残虐な殺人事件が各地で起こり、行方不明者の数も減る兆しは一向にない。ある日突然、理由もなく連れ去られた息子、娘、連れ合い。その多くは殺害され、メキシコ各地に無数に点在する「秘密墓地」に埋められている。カルテルに買収された当局が動かないなか、母親たちは自ら山野に分け入り、家族の面影を探す。凶悪な犯罪組織がしのぎを削り合う麻薬戦争最前線を巡り、行方不明の家族を探す女性たちの声を拾い集めた渾身のルポルタージュ。
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