メキシコ以外の国、とりわけアメリカでは、「ナチョス」とは、四角く切って油で揚げたトウモロコシのトルティーヤを使った料理のことです。メキシコでは「トトポス」です。
フリホール(フライドビーンズ)、メキシカンソース、さまざまなチーズ、アボガドのディップ、ワカモレ、魚介類のマリネ、肉……といった食材と組み合わせることで、多彩で独特の味を表現する料理の総称をメキシコでは「ナチョス」とよんでいます。
「ナチョス」という名前は、イグナシオという男性の名の愛称「ナチョ」に由来します。フランシスコという男を「パンチョ」や「パコ」、ギジェルモという男を「メモ」と呼ぶのと同様です。
友人同士や家族、親族などの気軽な集まりで、ナチョス(トトポス)が食卓にのぼります。
私が子どものころ、家族が集うときは必ず、居間のテーブルの上にナチョスがありました。チーズとハラペーニョとコーンチップス(トトポス)でつくるオーソドックスなナチョスが楽しみで、家族や親戚の集まりを心待ちにしていたものです。
大人にとっても、冷えたビールとナチョスの組み合わせは夏にぴったりです。
メキシコでは、日曜ごとに家族みんなでサッカーをテレビ観戦することが多いのですが、そんなとき、大人はビール、子どもは清涼飲料やハイビスカスのジュースといっしょにナチョスをつまみます。
不意の来客があったとき、みなさんもナチョスをつくったらいかがでしょう? トトポスとハラペーニョとチーズを常備すると、いつ親戚や友人が訪ねてきても喜ばれます。日曜日にナチョスを食べながらプロ野球を観戦すれば、ゲームをさらに楽しめるでしょう。【そんりさvol.120(2009.8)】
材料(4人分)
・トウモロコシのトルティーヤ 12枚(コーンチップスで代用可)
・ピザ用のナチュラルチーズ 100g
・熟したアボガド 1
・トマト中 4
・細かく刻んだコリアンダー 大さじ2
・タマネギみじん切り 大さじ1
・スライスしたハラペーニョ(お好みで)
・塩
・レモン 1/2
・トウモロコシかヒマワリの種の油 250㏄
・水 1/2カップ
作り方
①トルティーヤを短冊形に8つに切り、焦げないように注意して油で揚げる。油を切り、塩を少々指でつまんでふる。市販の「コーンチップ」でも可。
②トマト2個を水1/2カップと塩と一緒にミキサーにかけ、15分ほど弱火にかける。トウモロコシかヒマワリの種の油(大さじ1)を加える。
③ワカモレの準備 アボガドの皮をむき種をとり、ペースト状になるまでよくつぶす。トマト2個を細かく刻み、レモンの汁をしぼる。深めの容器にアボガドを入れ、レモン果汁とトマトとコリアンダーとタマネギを加え、塩をふって混ぜる。
④耐熱性の容器にトトポス(揚げたトルティーヤ)をおき、トマトソースとチーズをのせ、チーズが溶けるまで、オーブンで5分ほど加熱する。
⑤オーブンから取り出して、ワカモレとスライスしたハラペーニョをのせたらできあがり。
つくってみたら
トマトソース、水を入れない方がとろみがでてよいかも。
1枚目は薄っぺらすぎたので、
トトポスを下に敷き、トマトソースとチーズを載せ、さらにもう一度トトポスを敷き……2層にしたらボリュームがでた。
しんなりしたトトポスがワインのつまみとしてもぴったり。
「ミゲル先生のメキシコ食巡り」は「そんりさ vol.113」(2008.6)から連載しています。
過去のソンリサの一部はPDFで購読できます。
https://recom.r-lab.info/sonrisa/#1
コメント